見当をつける(4年生:算数)
4年生の算数では、3桁のわり算を筆算で計算する方法を学習します。
最終的には、これまでの学習をもとにこのような筆算のアルゴリズム(手順)を覚え、計算ができるようになることが目標です。
この手順さえ覚えてしまえば、どんなに数が大きくなっても同じ手順でより早く計算ができるようになります。
しかし、個人的には、より早く正確に計算する能力より、大事な力があるような気がしています。
さて、先ほどの問題文、よく見ると横に「140~150?」…と書かれています。
これは、計算をする前に「だいたいこれくらいの数になるんじゃないか?」…という「見当をつけて」いるのです。
やり方はいろいろありますが、例えば、こんな感じ。
★ 734という数は、500より大きく、1000より小さい。
➞ 答えは、100より大きく、200より小さくなるだろう。
➞ 734は、500~1000の真ん中より、ちょっと小さい。
➞ 答えは、100と200の真ん中(150)よりちょっと小さいだろう。
この「見当をつける」というプロセスが真価を発揮するのは、この後、小数の計算や分数の計算が出てきたときです。
小数が入ってくると、「わり算の商は、もとの数より小さくなる」というこれまでの常識が通用しなくなります。
分数は、大きさの感覚がつかみにくく、数としての分数と割合としての分数があるため、混乱してしまいます。
計算の手順もより複雑になり、計算ミスも頻発します。
そんなとき、だいたいこれくらいになるはず!…という見当をつけられれば、計算ミスをぐっと減らすことができるのです。
私自身、実生活の中で計算の正確な答えを知りたいときは、基本スマホの電卓機能にお任せです。
間違いなく、早くて正確ですから。それよりも…
・買い物の代金は、いくらくらいになりそうかな?
・6人で割り勘したら、一人いくらくらいかな?
など、およその数の「見当をつける」場面の方が多いです。
そんな訳で、地味に大事な力だよな…と思うのです。